2013/03/31


休憩の時、自分の部屋に戻ってみるとものすごいことになっている。まさに惨劇の後。
すわどこぞの女がヒステリーでも起こしたかと思ったりするが、そんな心当たりもなく、猿の仕業。
マンネリ化しつつある暮らしに一匙のスパイスをという彼らのホスピタリティと見た。
窓を開けっ放しにするなって言われてたんだよね。
部屋中ツァンパ(麦焦がしのようなもの。チベット人の主食)まみれ、つまりは粉まみれ、ビスケットやら柿の種やら食べれるものはみな食い散らかされた。

で、葛根湯も食べていった模様。最近周りで体調崩してる人多いし、はやってんのかな風邪。お大事にね。



2013/03/30

みんながあまりにもボコボコの包丁を使ってるので、一つぐらいキレキレにしてやろうと思って、黙々と研ぐ。たまには日本の料理人の心意気を背中で見せてやろうというもくろみ。
これ以上ないねというくらいに研ぎあげ、得意げに振り返ると、まあ思った通りに誰もいなかった。オーダー出し終わると、すぐみんなどっか行っちゃうんだよな。




2013/03/29


自分なりに絶妙に繊細な味付けに仕上げても、みな一気に皿に投入する赤いヤツ。それで美味しい美味しいといわれてもだいぶ複雑。
という自分も赤いヤツの虜になってます。わりと染まりやすいたちなので。元の舌に戻るか不安です。




2013/03/29


まかないでテントゥク(チベットのすいとんみたいなの)を食べる。アムドの料理らしく唯一アムド出身のリンチェンがえらく得意げに作る。
棒状に練った小麦粉をちぎって鍋に投げ入れていくのだが、まあその手さばきの見事なこと。ふだんあんなにボヤボヤ仕事してる人とは思えない。
得意になりすぎてその歌声はいつもより高らか。こぶしもよけいに回っちゃってます。

                                    
                                         

2013/03/27


今日はホーリー。インドの有名なお祭り。みんなで顔に色塗り合って騒ぐ例のあれ。

朝ちょっと買い物に出たときにインド人店主に塗られたけど、ちょっとにしてねってお願いした。普段だったら積極的にバカ騒ぎしたいとこだが、チベットの人たちがどういうテンションなのか計りかねたのでちょっと尻込み。

ここダラムサラはたしかにインドだけど、普段話してるのはチベット人ばかりだし(考えてみればナマステって言ってない)、彼らはインド人に対して微妙な距離がある。ここで生まれたチベット人ですらそう言う。もちろんみんなって訳じゃないだろうけどね。たしかに僕もお寺を平気で逆回りするインド人観光客にイラッてするようになっているし。

ということでちょっと引いて過ごしたホーリーでありました。夜もだいぶ賑わってるようです、いつもよりも。

 

2013/03/27

チベット本土で続く中国政府に対する抗議の焼身自殺。
その度に街の中心からお寺まで、亡くなった人の写真を掲げキャンドルを灯し行進というのが行われる。ここに来てひと月ぐらいでもう2、3回見た気がする。
今日は僕も一緒に歩いてみた。粛々と。



2013/03/26


チベット人のみんなの携帯電話からは、どっかでダウンロードとかしてるんだろうけど、近所のいろんな国の音楽が流れてくる。チベット、インド、中国あたりはもちろん、ネパール、韓国、さらにはモンゴル、シッキム、ブータンなどなど。今流行のポップスというか歌謡曲みたいなもんでたいした違いはわからないけど。
翻って自分のiPhoneを見てみると、僕たちはなんと遠くの国のことばかり見てたんだろと思う。見えてる世界の形はだいぶ違うのかもしれないな。




2013/03/25

圧倒的に俗な人間である僕は、竜宮城に行きたいがために、とりあえずレタスについていたカタツムリを、そっと表にはなしてみる。


2013/03/24


チベットの甘酒のようなものチャンを頂く。みなで乾杯。

ってシェフ!これくらい飲んだだけで仕事したくないとか言わないの!



2013/03/23


早朝まだ人気の少ない時間、お寺へと向かう道で、お坊さんが道を横切るミミズを葉っぱにのせて脇に寄せるのを見る。ハッとした。



2013/03/22


普段うっとうしいくらいに騒がしい彼も、巻き寿司を巻いている時は妙にしおらしい。そんな彼の姿に母性本能をくすぐられてしまう僕はいったいどういうことなんでしょうか。だれか教えてください。




2013/03/20


夜の通りを見つめる彼はインド人だけに激しく吠えかかる。
まあ気持ちはわからんでもない。



2013/03/19


ラストオーダー間際にオーダーが立て込むのはよくある話。みんなぱっぱと終わらせて飯食いたいから、猛烈な勢いで片付けてまかない作ってオーダーこなしてでもうてんやわんや。でどっかの子がキッチンに入ってきて大泣きしだしたりする。みんなで大声出してこの時ばかりはやけにチームワークが良かったりする。
あーなんか懐かしい。みんなで働くのもいいもんだな。



2013/03/18


それぞれの意味でどの子もみんな気になるな。



2013/03/17

日曜日。ピクニックへ。MacでBGM流してるしみんなスマートフォンで写真撮ったりしてるけどやることはバター茶飲んで歌って踊ってひまわりの種。これでもかとひまわりの種。

故郷を想うみんなの気持ちに寄り添うべく「北国の春」を熱唱してみるが伝わったかどうか。「俺ら東京さ行ぐだ」が思いのほかうける。



2013/03/16


そんなつぶらな瞳で見つめられても僕にはどうすることもできない。



2013/03/15

もともと黙々と仕事をするほうなのだが、ここでは普段のテンションを5倍ぐらいに引き上げてキッチンに入る。そうでもしないとつき合えない。3倍ぐらいじゃ具合悪いのかって心配されるし、2倍ぐらいじゃ怒ってるのかって言われるし、普段通りじゃ気づいてもらえない。
ということで僕も歌いながら働いてます。



2013/03/14


高く高く、ふんわりこんもり命で長らく料理をしてきたが、盛りつけるたびにことごとく真っ平らにされてしまうチベタンスピリット恐るべし。



2013/03/13


とても細くて車が多くてしかも坂道という悪条件にも関わらず、大の大人たちが真昼間に集まり大はしゃぎ。へんな木の棒振り回して。
そんなに面白いかクリケット。



2013/03/12


① 今日は何度も停電したからできが悪い。
②引っ越したら下のインド人が夜に仕事したらうるさいというから午前中には間に合わない。
③それでムカムカして酒飲んでたからこの時間になった。

なんと言い訳の多いチベット人豆腐屋。
豆腐屋さんといえば働き者の鏡みたいなものなのにね、日本じゃ。




2013/03/11


あいうぉんとふりーだむ!と叫んでみたのはいいけれど
今自分がこのうえもないほどにふりーだむなことに気づく。
止まらぬ野良犬感。大丈夫かオレ。行き当たりばったりなのは昔からだが。




2013/03/10


3月10日はチベット蜂起の始まりとして特別な日。
お寺に集まりデモに参加した。あいうぉんとふりーだむ!
いろいろ考えることはあったが、カワイコちゃんが突然茂みに入って用を足すのに驚いた。ははっ。



2013/03/09


店のカワイコちゃんに言われてひげを剃ったりしてる。ハハッ。



2013/03/08


まだ誰も来てない朝のキッチンで1人パンをこねていると
これは祈りの時間だな、なんて考えちゃう。
この街のせいか、おれの心持ちか、目の前に広がるでかい山のせいか。




2013/03/07

同僚たちがなんのためらいもなく残り物を捨ててしまうのも、こうやって牛が目の前で食べてくれるからだと思うと妙に納得する。
ゴミの分別は牛かそれ以外。





2013/03/06

彼の幸せを願わずにはいられない気だるい午後。



2013/03/05


やっぱこういうローカルの店で投げやりにメシを喰うのが気分だよな。
ミネラルウォーターなんかいらないよ。




2013/03/04

キッチンに女が三人集まるとそれはそれはやかましい。いずこの国でもおんなじ。
吉祥寺でもそうだったな。




2013/03/03

道端で売られる野菜は牛に食われるは犬におしっこひっかけられるはもう大変。
ただみんなで大笑い。




2013/03/02

明日がどこにつながっているのか、わからないのは旅人に限った話ではないのだな。



2013/03/01

知らない街で今日も野良犬のように酔っ払っている心地よさ。